立秋なのに猛暑日?「暦の秋」と「体感の夏」のギャップを乗り切る薬膳

暦の上ではもう秋なのに、この暑さ

 8月に入り、まもなく立秋を迎えます。

立秋と聞くと「え、もう秋なの?」と驚く方も多いのではないでしょうか。

まだまだ日差しは強く、セミの声も元気いっぱい。

天気予報を見ていても、しばらくは厳しい暑さが続く予想が並んでいます。

皆さんも「暦の上ではもう秋」と言われても、正直ピンとこないのではないでしょうか。

私自身、毎年この時期になると「暦と体感のズレ」を強く感じます。

なぜ立秋を過ぎても暑いの?

 実はこれ、気象学的にもちゃんと理由があります。

地面や海は、太陽から受け取った熱をすぐには手放しません。

真夏の強い日差しでじっくり温まった分、そのエネルギーが少し遅れて空気を暖め続けるのです。

そのため、暦の上で秋がスタートする立秋のころ、8月上旬あたりが、

1年でいちばん気温が高くなりやすいタイミングと重なることが多いです。

「暦はもう秋」でも、「気温は真夏のピーク」ということが、実際によく起こるのです。

ですから、立秋を過ぎたからといって、油断は禁物です。

薬膳的にみると、今は「心」が疲れやすい時期

 中医学では、夏は五臓(体の働きを5つのグループに分けた考え方)のうち

「心(しん)」が特に働く季節とされています。

「心」というと心臓をイメージしますが、中医学でいう「心」は、

血を全身に巡らせるポンプのような役割に加え、精神状態や眠りの深さにも関わっていると考えられています。

厳しい暑さが続くこの時期は、その「心」がフル稼働し、疲れがたまりやすくなります。

イライラしやすい、寝つきが悪い、なんとなく胸のあたりがモヤモヤする…

そんな感覚がある方は、心に熱がこもっているサインかもしれません。

暦の上での秋を目前にした今こそ、心をいたわるケアが必要なタイミングなのです。

心の熱をやさしく冷ます、身近な夏野菜

 そこでおすすめしたいのが、心の熱を冷ましてくれる、スーパーでも手軽に手に入る身近な食材です。

今回ご紹介するのは、ゴーヤ、トマト、きゅうり、なす。

特別なものを揃えなくても、今日の食卓からすぐに取り入れられますよ。

 ゴーヤは、夏を代表する食材のひとつ。独特の苦味成分には、体にこもった余分な熱を冷ます働きがあるとされています。「心」にこもった熱をすっと鎮めてくれる、夏にぴったりの野菜です。

 トマトは、体の余分な熱を冷ましながら、潤いも補ってくれる優秀な食材です。汗をかいて失われがちな水分を、酸味と甘みで気持ちよく補ってくれます。そのままでも、火を通しても取り入れやすいですね。

 きゅうりは、体にこもった熱を冷ましながら、余分な水分の巡りも整えてくれます。サラダや浅漬け、酢の物など、火を使わずにさっと一品作れるのもうれしいポイントです。

 なすは、体の熱を冷ましながら、血の巡りを良くしてくれる食材です。皮の紫色にはアントシアニンも含まれ、彩りも栄養も両方かなえてくれます。焼きなすや味噌炒めなど、食欲が落ちがちなこの時期でも食べやすい一品になりますよ。

 どれも夏の食卓でおなじみの野菜ばかり。「特別な薬膳食材」を揃えなくても、いつもの野菜を

「心をいたわる」という視点で選び直すだけで、立派な薬膳になります。

暦が先に進んでも、心と体はゆっくりでいい

 立秋は、季節が動き出す合図であって、体がすぐに切り替わるわけではありません。

暦だけが先に秋へと進み、私たちの心と体は、まだ夏の疲れのさなかにいます。

だからこそ、この時期は、心の熱をそっと冷ましながら、自分のペースで残暑を乗り切っていきましょう。

 

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